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コロナ禍において様変わりする株主総会

コロナ禍において様変わりする株主総会
~感染症対策の視点と総会機能の確保から考える2020年3月期株主総会の在り方~

従来、3月決算会社の株主総会は6月下旬に行われることが多く、上場会社の場合には総会後、EDINETを通じて「株主総会決議通知」と「有価証券報告書」を金融庁に提出する、といったスケジュールが一般的な実務として強く根付いておりました。

大規模な企業の株主総会には毎年多数の株主が来訪しますし、近年では企業側も株主総会を個々の株主と直接コミュニケーションを図る場と捉え、自社の製品やサービス内容を展示してプロモーションの機会にするなど、総会の場を積極的に活かすケースも増えておりました。

しかし、コロナ禍において感染拡大を防止する観点からは、株主総会としての有効性を確保しつつも、今までとは異なった形での株主総会の開催を検討する必要がありそうです。

6月集中開催に対する考え方

4/24付で、経産省の梶山大臣談話として、“企業決算・監査及び株主総会の対応について”が発表されました。 (参考:経産省「企業決算・監査及び株主総会の対応について」 https://www.meti.go.jp/speeches/danwa/2020/20200424.html)

当談話では、特に株主総会の実施について、下記のような要請がなされています(原文より抜粋)。

✅ 6月末に開催予定の株主総会につき、例年とは異なるスケジュールや方法とすることの検討(企業向けの要請)

✅ 決算作業の適切な遂行や従業員の安全確保に努める結果として、株主総会の運営につき、例年とは異なるスケジュールや方法とすることを十分に理解する(株主、投資家向けの要請)

既に総会の開催を7月ないし8月に延期することを決定している会社も複数出てきておりますが、依然として例年通りの6月開催としている会社が多くを占めています。

ただ、総会の日程を未公表としている会社もあり、決算実務の状況次第では7月以降の開催を決定する会社が今後増加する可能性もあります。

3月決算会社の株主総会は、通常6月末に全ての議事を完了させることが一般的ですが、このような状況下においては以下のような方法の採用について検討の余地がありそうです。
参考:法務省「定時株主総会の開催について」http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00021.html

方法 メリット/デメリット
総会時期の延期 メリット
● 日程は延期するものの、総会の実施からEDINETを通じての有価証券報告書の提出までを例年通りの流れで完了させることができる。
デメリット
◆ 議決権行使のための基準日を4月以降で新たに設定し、かつ公衆に公告する必要がある。
継続会の実施※ メリット
● 6月までの一度目の総会で剰余金配当決議を行う場合、配当基準日を新たに設定する必要がない。
● 7月以降の継続会については、感染症拡大にかかる世情を勘案しながら機動的な招集が可能。
デメリット
◆ 過去の実務的な事例が少ない(過去には東日本大震災の際に実施されている)。
◆ 7月以降の継続会で会計監査人監査済みの計算書類が報告される場合、一度目の総会における剰余金配当決議は、監査が完了していない決算書をもとに行わざるを得ない。

※会社法317条に基づき議事の一部を先送りする方法。

このような状況下においても、株主総会は株式会社の最高意思決定機関であることに違いはありませんので、どのような方法で総会を開催するかを決める際には、

自社の特性と、それぞれの開催方法におけるメリット/デメリットを総合的に検討し、株主総会の有効性を損なわないような工夫

をすることが肝要だと考えます。

総会は開催しているのに株主がその場に行けない?

株主の感染リスクを低減するための施策は、企業があらゆる手立てで行うことが求められます。現状、考えられる施策としては下記のようなものが挙げられます。

① 来場しない株主がテレビ会議システム等を使って参加できるようなシステムを導入する
② 会社として株主に対して来場を控えるよう依頼し、書面での決議行使を勧める
③ 入場できる株主の人数制限や事前登録制を採用する
④ 来場者に対して入場口で検温等を行い、コロナウイルス罹患が疑われる場合は退場してもらう

また、経産省では株主に対して「総会への来場を控えるよう」要請を行いました(5/22付通達)。

ちなみに、現行の法令では株主総会を完全にWeb媒体のみで実施することは想定されていませんので、上記①のような方法であっても、株主総会を実施している物理的な“場所”は必ず存在し、株主はその場所に来場する権利があります。

それでもなお、
感染拡大防止目的を最重視する観点から、株主個々の行動の在り方が改めて経産省により後押しされた
ものと言えます。

極端なケースでは、「株主総会は物理的な会場を設けて開催されるものの、来場出席する株主はゼロ。しかしながら議決権行使書等により総会自体は適法に成立。」というパターンもあり得るという事になります。

参考:経産省「株主の皆様へのお願い -定時株主総会における感染拡大防止策について-」 https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200522010/20200522010.html



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