買収後の統合作業である「Post Merger Integration」の略語としてPMIという言葉は定着しているものの、明示的な定義は難しく、個々のM&A取引ごとに必要なPMIの取り組みは異なります。
PMIは「Post」つまり「後」の活動であると一部では誤解されていますが、M&Aの成功には早期にPMIの準備を開始することが重要です。
PMIの取り組み(例示)
目的 | PMI取り組み例 | |
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CF最大化(価値/シナジー) | 売上規模の拡大 | 相手企業の顧客に対する自社製品の販売 ブランドの共通利用による新規顧客獲得 プライシング戦略の見直しによる単価引き上げ、シェア拡大 |
コスト削減 | 規模拡大や製造拠点適正化によるコスト低減 業務ルールやシステム統合によるオペレーションコスト削減 |
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資金管理/投資回収 | グループ内資金の有効活用 これまでの投資対効果の精査/投資ガイドラインの設定 |
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リスク回避(体制/コントロール) | キーパーソン確保 | 企業理念・文化の融合、経営方針の理解促進 リテンションプランの提示 |
ガバナンス/内部統制 | 新しいKPIの定義/運用 新しい決裁プロセスの定義/運用 決算プロセス改善/SOXの導入 |
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事業計画の蓋然性 | 事業計画の前提・仮定の検証(必要に応じて見直し) アクションプランの工程表への落とし込み |
財務や経理の全責任を持つCFO(Chief Financial Officer)は資金調達や運用などを担当し、大企業では一般的なポストですが、ベンチャー・中小・中堅企業ではCFOに社内リソースを割くことができないことが多いのが現状です。CFOの担う責任は非常に大きく重要ですが、社外に委託することで「独立性・客観性が担保できる」「コスト」といったメリットがあります。
株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティングの社外CFOサービスでは、経験豊富な公認会計士がM&Aの成否を決めるPMI検討から実行までのプロセスをサポートします。
実施しているPMI業務の一例
決算早期化・決算業務サポート
- M&A後の当面の決算代行業務と並行して、早期化のための見直し項目の洗い出し、業務フロー見直しの実施(後に対象会社における内製化実現)
- 複数会社を一括で買収し、サブ連結の形で買収会社に財務報告を行う場合のサブ連結決算作成業務
- IFRS適用会社に買収された対象会社のIFRS組替業務(日本基準からIFRSへの組替、IFRS注記情報等の作成)
- 買収会社におけるPPAの算定業務
SOX対応・内部監査支援
- SOX制度に対応するための文書化作業、整備状況や運用状況の評価等を実施
- 対象会社内におけるSOX運用評価のための人員不足を受けて、運用評価手続の代行業務を実施
- 内部監査代行によるDD時の未発見課題の有無、買収後施策の実施状況の確認支援
各種デューデリジェンス
PMI業務と密接に関連する財務・税務デューデリジェンス、労務デューデリジェンスのほか、ビジネスデューデリジェンス、内部統制デューデリジェンス等、各種デューデリジェンス業務を実施しております。
法務デューデリジェンスにつきましても、複数の法律事務所と提携し、ターゲット企業の規模、業種や買い手側の各種ニーズに応じてワンストップかつフレキシブルに対応することが可能です。