• 内部統制

2020.11.30

CSAを知っていますか?

2020.11.30

CSA(Control Self-Assessment)とは

CSA(Control Self-Assessment)とは、業務を行う部門が、自らの内部統制の有効性を検証し評価するプロセスのことをいいます。

内部監査というと、業務を行う部門とは独立の第三者(内部監査部門)が、監査に関する専門的な知識や経験をもとに、業務を行う部門に対してヒアリングや作成資料の確認などを行うことにより、問題点の把握や改善策の提案などを行うことがイメージされるかと思います。

CSAはそれとは異なり、業務を行う部門の責任者やメンバー自らが主体となって、自身の行う業務を振り返り、コントロールの弱点やリスクを洗い出し、それらを管理・モニタリングするための方法を検討することとなります。

CSAの進め方

進め方としては、ワークショップのような形で関係者を集め、それぞれに意見を出してもらうほか、インタビュー、アンケートといった形で行うこともあります。ワークショップにおけるファシリテーターや、インタビューにおけるインタビュアーの役割、またアンケートの準備などは内部監査担当者が務めることが考えられます。

CSAのメリット

CSAは、「業務を行う部門の責任者やメンバーが自ら主体的に関わりを持つ」という特徴から、以下のようなメリットがあるとされています。

  • 業務をよく知るメンバーが評価・検討を行うため、真の問題や要因が見つかりやすい
  • 業務部門のメンバーが自ら考え、意見を出すことにより、内部統制に主体的に関わる姿勢が醸成される
  • 業務部門のメンバーが自ら問題を発見するため、他者に指摘されるよりも素直に改善に向けての努力がなされる

注目されるCSAの活用

近年、ビジネス環境の急激な変化や多様化に伴い、内部監査担当者が監査対象業務を把握しきれないといった問題が指摘されるほか、コロナ等をきっかけに更なる広まりを見せるリモート環境での監査などを背景に、業務部門の責任者やメンバーをうまく巻き込んだCSAの活用が監査の場面で注目されてくるのではないでしょうか。

一方で、CSAは自己監査という一面もあるため「客観性や独立性に欠ける」というデメリットが指摘されるほか、議論をうまく進めるための「ファシリテーター」の技量が大きく影響する、といった問題もあります。

これらに対しては、内部監査担当者がこれまでの経験やスキルをもとに、従来型の内部監査とCSAとをうまく組み合わせバランスをとる方法を模索することや、ファシリテーターとしての役割を果たすことが期待されているものと考えます。

 

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