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2018.12.03

M&A成功確率向上のポイント-買収後、成功する会社の見つけ方

2018.12.03

日本国内におけるM&Aは、近年増加傾向にあります。背景には、人口減少や少子高齢化、業界再編、規制緩和や自由化など、企業を取り巻く経営環境の変化があります。そのようななか、企業がスピード感を持った成長を実現していく上でM&Aは経営手法の一つとして定着してきました。(『M&A成功確率向上セミナー2018』より抜粋)

買収後、成功する会社の見つけ方

M&Aを実施したものの、期待されたような成果を十分挙げられていないケースも少なくありません。「とにかく案件を成立させる」「買収ありき」で交渉が進んでしまうと、誤った判断を招きがちになります。
M&Aの「成立」はあくまで手段であり、価値創造に至ったときに初めて「成功した」と言えます。

PMIに成功しているM&Aのポイント

(1)ファインディングの採用

金融機関や仲介会社から、売却企業に関する情報が持ち込まれることがあります。これは、オーナーが売却の意思を示しているお会社様ということになります。このような案件は、スピーディに進む場合も多く、コストも適正でしょう。「M&Aの成立」の可能性は高くなります。

一方、「ファインディング」という手法をとる場合、自社の経営戦略の中で、なぜM&Aが必要なのか、M&Aを活用して何を実現していくのかという戦略を議論した上で、企業を積極的に探すというものになります。

こうした手順を踏むのは、面倒な作業を伴う場合もあります。しかし、M&Aを活用して何をどう実現していくかという、根幹部分の課題を企業と仲介会社の双方が共有することで、最適な企業を見極めることができます。

(2)リテンション担当者の選定

M&A後も優秀な人材が引き続き活躍することは重要です。コア人材や将来重要な戦力となる若手社員が社外に流出してしまっては、M&Aの成功には至りません。そうした人材のリテンション(流出防止・引き留め)を担当するのが、リテンション担当の役割です。その取り組みは、M&Aの可否においても重視されています。

(3)インセンティブの設定

リテンション担当者は、M&Aの成功という目標に向かって自社の事業全体を考え、退職を希望する従業員の説得交渉にあたります。職場環境や労働条件なども含めた事情に精通している必要もあり、また、信頼される対応も求められるでしょう。その分、プレッシャーも多く感じることとなります。

仮に、リテンション担当者が力を発揮し、多くのキーマンとなる従業員の引き留めに成功した際には、何らかの評価が欲しいと考えるでしょう。そこで、役職やポストを用意するなど、リテンション担当者へのインセンティブの設定が望まれます。また、予め退職者を出さない仕組みをつくることで、リテンション担当者の負担軽減を図ることも大切でしょう。

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